中国国防相がトランプ政権に反発「領土は譲らない」[2019/06/02 11:48]

 シンガポールで開かれている安全保障を話し合う国際会議で中国の国防相が演説し、アメリカから南シナ海問題などで批判されたことに強く反発しました。

 (良永晋也記者報告)
 中国の魏鳳和国防相は、アメリカを念頭に「中国の脅威論を宣伝する人がいる」と批判しました。魏国防相は、さらに「誤解、偏見によるもので公にできない下心がある」と続けました。1日、アメリカのシャナハン国防長官代行が中国を「この地域の最も大きな脅威」と批判したことを意識したものとみられ、「脅威はアメリカの方だろう」と言わんばかりです。魏国防相は「他国を侵略することはない」とこの脅威論を否定する一方で、「厳しい局面では一寸たりとも領土は譲らない」と牽制(けんせい)も忘れませんでした。また、「南シナ海は中国の領土か」との質問には「中国の領土だ」「自分の領土に軍事施設を造ることがなぜいけないのか」とも主張しました。実際に中国軍は2日、南シナ海で軍事訓練も行ったとしています。ただ、中国側は「対立は両国ともに悪い影響を受ける」と対話の重要性も強調していて、決定的な対立は避けたいのが本音のようです。

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