関係改善の糸口は見えた?…日韓外相が諸懸案を議論[2019/08/21 18:30]

 韓国との関係が悪化するなか、日韓の外相が会談して元徴用工の問題やGSOMIA(軍事情報包括保護協定)などについて議論しました。

 河野外務大臣:「日韓の最大の懸念事項であります、旧朝鮮半島出身労働者の問題につきまして、韓国側の対応をしっかりと求める旨、私の方から申し上げました」
 会談は約40分間、行われました。河野大臣は韓国国内で日本製品の不買運動など反日的な動きが高まっている問題についても提起し、「地方議会で不当な差別につながりかねない条例案が提案されていることに懸念を表明した」と強調しました。24日に期限を迎えるGSOMIAについても話題に上ったということです。

 (千々岩森生記者報告)
 今回、外相会談としては異例のケースですが、会談冒頭の双方の発言は取材が許されませんでした。撮影が許可されたのは河野大臣が康京和(カン・ギョンファ)外相を迎えて硬い表情で握手を交わす短いシーンだけでした。両者がカメラの前で厳しい言葉を浴びせあって対立を際立たせる姿を両国の国民に見せること、そして反発がさらに高まることを避ける狙いがあった可能性もあります。また、両者の目が合った瞬間に康外相の表情が少し緩んだことも印象的でした。ただ、河野大臣が韓国国内での反日デモや日本製品の不買運動を指摘する一方で、康外相が原発の汚染水の処理問題を取り上げるなど、そもそもの徴用工問題や輸出規制から論点がさらに拡大していることも事実です。今回は決定的な対立こそ避けつつも緊張緩和に向けた出口はいまだ見いだせていません。

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