終戦直前に米軍が…42人死亡 コロナで語り部困難に[2020/08/13 12:19]

 75年前、終戦2日前の13日、千葉県山武市の成東駅ではアメリカ軍の攻撃による爆発で10代の若者を含む42人が亡くなりました。悲劇の「語り部」を続けてきた女性は新型コロナウイルスの影響で活動ができなくなっています。

 JR成東駅前では13日、終戦直前に犠牲になった人たちへ黙祷(もくとう)が捧げられました。75年前の8月13日、成東駅に停車していた弾薬を積んだ貨物列車がアメリカ軍機の機銃掃射を受けて炎上、消火作業中に爆発して42人が亡くなりました。
 当時、駅付近にいた小川公平さん(85):「大爆発ですね。(駅の)前の道路はまだ砂利道で砂ぼこりと大音響で、びゃーっと2人飛ばされて、上を見たら黒煙、真っ黒な煙が天に上がっていくのが見えました。友達の親はここで勤めてて亡くなりましたけども、結局、我々何も知らずに戦後まで何も」
 犠牲者のなかには駅の女性職員や14歳の少年職員など10代の若者9人が含まれています。
 戦後、山武市に生まれた並木久栄さん(73)は5年ほど前、当時の様子を聞き取って紙芝居を作りました。年に10回ほど地元の小中学校を回って語り部を続けてきましたが、新型コロナウイルスの影響で3月以降は活動ができなくなっています。
 並木久栄さん:「ほとんどの人が忘れているのが現実。成東に…自分たちの町にも戦争があったということを知ってもらう。広く伝えるためには子どもたちに伝える活動を教育支援として続けていかなければならない」
 並木さんは「新型コロナ」が収束して子どもたちに地元の歴史を伝える活動を再開したいと願っています。

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